ゴキブリ駆除用のホウ酸ダンゴや観葉植物用殺虫剤など、家の中でもペットにとって毒となるものはたくさんあります。ペットが口にするのを防ぐためには、ペットが届かないところに置くというのが最も良い方法ですが、もし万が一、毒物を口にしてしまった時には、どのように対処すれば良いのでしょうか。
ゴキブリ駆除用ホウ酸ダンゴの毒性
ホウ酸、タマネギ、小麦粉、砂糖、牛乳などを練って団子状にしたものをホウ酸団子といい、タマネギのニオイでゴキブリを誘引し、殺虫する毒餌です。見た目やニオイは普通の食べ物とあまり変わらないので、ペットが誤って食べてしまうという事故はよくあります。
一般的な手作りホウ酸ダンゴの場合、一つのホウ酸ダンゴの中には約7gのホウ酸が入っています。ワンちゃんは体重1kgに対して3gが致死量だと言われているので、小さなワンちゃんが丸々1つ食べてしまったら相当危険な状態になってしまうでしょう。それより少ない摂取量でも、消化管の粘膜が激しくただれる・よだれが止まらなくなる、などの症状が見られます。また、嘔吐・下痢といった消化器症状や、発熱・神経症状が見られる場合があります。
ナメクジ駆除剤の毒性
ナメクジ駆除剤にはメタルアルデヒドと呼ばれる、幼児がほんの数グラムを口にしただけでも命に危険が及ぶ毒が含まれています。ペットが口にした場合、下痢・嘔吐・けいれんなどの症状が見られ、大量に摂取してしまうと死に至ることがあります。
ナメクジ駆除剤はペットにとっていいニオイがすることが多く、進んで口にしてしまいます。胃腸からの吸収も良いため、気がついたときには血圧が低下して意識がなくなっていることも多いので注意が必要です。
目の前で食べてしまった場合
もしも食べる瞬間を見つけた場合、とにかくすぐに吐かせる処置を行いましょう。
できるだけ塩分の濃い食塩水を、小型犬でスプーン1杯ほど飲ませます。こういうときのために、普段から大きめのスポイトもしくはシリンジなどをひとつ常備しておくとよいでしょう。食塩による刺激で、胃の中にある物を吐かせることが出来ます。
中毒症状が見られる場合
すでに何らかの中毒症状が見られる場合には、食べてしまったと思われるものを持って、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。途中で吐くことも想定されるので、縦に抱っこするのではなく、なるべく体を横に寝かせた状態で連れて行きましょう。
殺虫剤、農薬、肥料などペットにとって毒となる可能性があるものは人の日常生活の中に多く存在しています。命に関わることも十分にあるため、このことを常に忘れずにペットと暮らす環境をしっかりと整えるように心がけましょう。
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