ねこちゃんが「ふみふみ」する理由

ねこちゃんが、うっとりとした顔で両手をグーパーしながら交互に足踏みをするような動作、“ふみふみ(モミモミ)”をするのを見たことはありますか?

見ていて癒されるこの行動には、実は意味や理由があるのをご存知でしょうか。


猫特有の行動“ふみふみ”

ふみふみは飼い猫にとても多い行動で、子猫から成猫までどの年齢でも見られます。寝ころびながら行うときもありますが、一般的にはおすわりの姿勢でふみふみすることが多く、前足を突っ張って力を入れながら交互に踏み出し、同時に足の指をグーパーと大きく開いたり閉じたりします。人や他の猫に対してふみふみしている時は、一見指圧マッサージをしているようにも見えますが、手を押し付けている時は爪を立てていることが多いため、直接肌に受けると、立てた爪が皮膚に食い込んだり、洋服の上からでも、爪が生地に引っかかり、気づいたときにはぼろぼろになっていることもあります。


ふみふみのシチュエーション

皆さんのおうちのねこちゃんは、どんな場所でどんな時にふみふみをしていますか?安心できる寝床や飼い主さんのニオイがする場所で、うっとりと眠たそうな表情をしながらふみふみすることが多いのではないでしょうか?座っている飼い主さんの脚の上に乗ってふみふみ、寝ている飼い主さんのお布団にもぐりこんで腕やお腹をふみふみ、お気に入りの毛布の上でふみふみ、一緒に飼っている他の猫のお腹や背中を一生懸命ふみふみする子もいます。また、猫によっては、決まった場所でしかふみふみをしないというように、場所にこだわりのある子もいるようです。


ふみふみする理由

猫がふみふみをする理由は、生まれたばかりの頃の行動が影響しています。

授乳中、子猫はお乳をたくさん飲むために両手でおっぱいを交互に押しながら乳腺を刺激します。その行動の名残がある猫は、大人になってもふみふみすることがあるといわれています。

多くの猫は大人になっても飼い主さんに対して子猫の気分でいることが多く、半眠状態で誰かに甘えたくなった時や、温かくて柔らかい毛布や毛皮の敷物、人の髪の毛などお母さん猫の感触を思い出させるようなものに触れた時に、この行動が現れるといわれています。そのため、ふみふみしているのは猫がとてもリラックスしている証拠ということになります。


ふみふみとゴロゴロ

猫によってはふみふみしながら、ゴロゴロと声を出していることがあります。猫のゴロゴロという声は未だに謎に包まれている部分もありますが、生後1週間目くらいからゴロゴロという声を出し始めます。お乳を飲む時に子猫がゴロゴロと声を出すのは、まだちゃんと鳴くことのできない子猫の鳴き声代わりだといわれており、授乳を促したり、自分の存在をアピールしたり、おっぱいを飲むことができて非常に満足な状態にあることをお母さん猫に伝えるためだといわれています。ふみふみと同時にゴロゴロと声を出している猫は、まさに幸せの最高潮といえます。


ウール製品に要注意

猫の中には、ふみふみと一緒にお乳を飲むように口元をちゅぱちゅぱとすぼめたり、ふみふみしているものを吸ったりかじったりすることがあります。 

特に、セーターや毛布などのウール製品を好んでかじる猫が多いことから、この行為はウールサッキング(wool sucking)と呼ばれることもあり、これは子猫のときに十分にお乳を与えられなかったストレスによって行われる行為だといわれています。最近の猫はウールの代わりにスーパーの買い物袋や食品が入っていたビニール袋を舐めたりかじったりする子もいて、ウールやビニールを万が一飲み込んでしまうと消化管に詰まってしまうことがあるため、注意しなければならない問題行動の一つとなっています。


まとめ

ふみふみは、様々な理由により離乳が早くなってしまった猫の多くに見られる行動だといわれています。犬より猫によく見られるのは、捨て猫など、未だにかわいそうな思いをしている猫が多いからなのかもしれません。

しかし、ふみふみをしている時の猫が、柔らかく温かかったお母さん猫の愛情に包まれていた時を思い出して、幸せな気持ちでいることに疑いはありません。ふみふみは、飼い主さんや毛布などをお母さん猫に対して甘えているのと同じような気持ちで行われているため、少し爪が当たっても、毛布やパジャマがよだれで汚れてしまっても、好きなだけ甘えさせてはいかがでしょうか。

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