ペットがお腹をこわしちゃった~下痢・嘔吐~

ペットを飼っている方なら一度はペットが吐いたり下痢したり、おなかを壊した症状に遭遇したことがあるのではないでしょうか。特に季節の変わり目は、気温の変化などさまざまな理由からおなかを壊して動物病院に連れてこられるケースが多いようです。

ペットがおなかを壊す原因と、それぞれの対処法について見ていきましょう。


犬や猫はおなかを壊しやすい?

私たち人間に比べて、そもそも犬や猫は簡単に吐いたり下痢をしやすいことをご存知でしょうか? 

もともと肉食獣である犬や猫は、子育てをするときに自分で食べて半分消化したものを吐き戻して離乳食として与えるために、簡単に吐くことができるような体の作りになっているのです。さらに、私たち雑食性の動物に比べて肉食性動物は腸が短いため、消化不良を起こしやすく、結果としてちょっとしたことからすぐに下痢をしやすい傾向にあります。


原因

ペットがおなかを壊す原因はさまざまです。下痢や嘔吐は消化管だけの問題ではなく、全身状態の悪化や精神的な問題からも見られることがあります。主な原因を挙げてみましょう。

・ウイルス感染症:特にパルボウイルス感染症の場合には、ひどい下痢と嘔吐が見られます。

・細菌感染症:腐ったものを食べたあとの食中毒も細菌感染のひとつで、おなかをこわします。

・寄生虫:回虫、鞭虫、鉤虫などの寄生によって胃炎や腸炎が起こります。

・消化管内異物:消化できないものを食べて消化管粘膜を傷つけたり、腸に詰まってしまった場合、春の換毛期によく見られる猫の毛球症も、異物が原因となるおなかをこわす病気のひとつです。

・通過障害:前述の異物を口にしてしまった時以外でも、胃捻転や癌が原因となって食べ物がうまく通過しない場合に嘔吐が見られます。

・中毒:毒のある化学物質や植物などを口にしてしまった場合には、嘔吐や下痢が見られます。特に、春先は農薬や除草剤のついた草を口にして中毒を起こす例がよく見られます。

・食べ過ぎ:空腹時に大量のご飯を与えると、あわてて一気食いをするペットがいますが、食べ物が急激に消化管に入ってきた刺激で吐いたり消化不良になってしまいます。

・全身性疾患:免疫力の低下による消化能力の低下、肝臓疾患や熱中症、アレルギーやストレスによっても下痢や嘔吐をすることがあります。


下痢と嘔吐のメカニズム

嘔吐も下痢も本来は体にとって害となるものを外に出そうとする、生まれながらに持っている防御反応です。

嘔吐は主に胃の刺激によって、脳から信号が送られ、胃の出口が閉まり逆に胃の入り口が開き、さらに腹筋や胃の筋肉が強く収縮することによって、逆流がおこります。

下痢は、腸の内容物が十分に水分を吸収できなかった場合に起こります。腸管が内容物を送る動きが異常に早くなったり、腸の壁が水分を吸収することができなくなってしまった結果として起こります。



こんなときはすぐに病院へ

おなかを壊すということは単に食べ物がうまく消化できないということだけではなく、水分が吸収されず脱水を起こしてしまったり、体内のカリウムやナトリウムといった電解質のバランスが崩れてしまう原因となります。そのままにしておけば体の小さなペットは、あっという間に全身状態を悪化させてしまい、命に危険が及んでくることもあります。

もし水のような下痢を何回もしたり、何も口にしていないのに嘔吐を繰り返すような場合には、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

また、吐いたものの中に血が混ざっていたり、血便や真っ黒いタール状の便をしている場合には消化管の粘膜が傷ついている可能性があり、このような場合も一刻を争います。おなかを壊していることのほかに、呼吸が苦しそう、おなかを痛そうにしている、元気がない、体がむくんでいるなどの消化管以外の症状が見られる場合もまた同様です。


おうちでできること

もし少しゆるい程度の下痢が一回だけだったり、吐いてしまった後もケロッとしていて、元気も食欲もあるようで、なおかつ、食べさせ過ぎたかなというような原因に思い当たることがあれば、少しおうちで様子を見てください。その場合、おうちでは絶食させて安静と保温を心がけて様子を見るようにしましょう。特に吐いているときには胃に物が入った刺激で嘔吐を繰り返すことがあるので、半日ほどまったく何も食べさせないほうがよいでしょう。

下痢をしている時にもおなかを休めるという意味で絶食をさせますが、この場合は脱水をしないように冷たくない水やスポーツ飲料を少しずつ飲ませてもよいでしょう。少しでも調子が悪そうであれば、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

ペットは簡単なことですぐにおなかを壊してしまうため、つい軽視しがちですが、下痢や吐いたあと、いつも通り元気な様子が見られるならば様子を見て、いつもより少しでも様子が違うようなら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。

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