パグってどんな犬?

パグは日本における「ぶさかわ」の元祖といってもいいでしょう。

しわだらけのちょっと困った顔につぶれた鼻、ずんぐりむっくりな体つきなど、どのパーツをとっても愛嬌いっぱいのこの犬種は、戦後日本に紹介されてから常に人気ランキングの上位をキープしつづけています。


パグの歴史

パグは数々の犬種の中でもひときわ古くから存在が知られており、紀元前400年以前の中国王室で飼育されていた「ローツ」と呼ばれる犬がその起源であるとされています。マスチフと祖先は同じであると考えられており、チベットの僧侶がペットとして小型化していったという説が有力視されています。

ヨーロッパへはアジアと交易のあったオランダ商人が17世紀に中国から連れてきて、その存在が広く知られるようになりました。今までの鼻の長い犬を見慣れたヨーロッパの人々は、はじめてみる中国の犬をとても珍重し、特にオランダではパグを王室のシンボルとして可愛がりました。

その後各地に広がっていったパグはフランスでも大人気となり、特にナポレオンの妻であるジョセフィーヌが「フォーチュン」という名前のパグを飼っていたことが有名です。

その後ビクトリア朝時代にオランダからイギリスに渡り、イギリスでも「ダッチ・ドッグ(オランダの犬)」という名前で貴婦人達に愛されました。


パグという名前

パグという名前の由来には諸説あり、顔が人の握りこぶしに似ているところから握りこぶしというラテン語の「pugnus(パグナス)」に由来するという説、パグモンキーと呼ばれ18世紀に大流行した小型のサル(マーモセット)につぶれた顔が似ているという説、中国語で「いびきをかいて眠る王様」を意味する「覇向(パー・クー)」に由来する説など様々あります。

しかし、この犬をパグという名前以外で呼ぶ国も多く、オランダでは「モプスフント」、ドイツでは「モプス」、フランスでは「カーリン」と呼ばれています。


パグの特徴

パグは体高20センチ前後という大きさから小型犬に分類されますが、正方形のコンパクトな体に大きな顔、しっかりとした骨格などからとても力強い印象を与えます。

垂れ耳と背中にしょった巻き尾、それに何といってもしわだらけの大きな顔が特徴的ですが、この額のしわは漢字の「皇」の字に似ているといわれています。大きなくりくりとした目はとても表情豊かで、小さく垂れた三角形の耳はとても柔らかくビロードのようです。

毛色はベージュ色で顔だけが黒いフォーンが一般的ですが、最近は黒パグと呼ばれる全身真っ黒な子もよく見かけるようになりました。そのほか、シルバーやアプリコットなどの毛色もあるようですが、これらの毛色は日本で見ることはあまりありません。


とにかく食いしん坊!

多くのパグは食べることがとにかく大好きです。あまり噛まずに何でも飲み込むように食べてしまうので、すごい勢いでごはんを食べて、おかわりを要求してきますが、欲しがるままに与えていると肥満になってしまいます。がっしりとした体格で太っているかどうかが分かりづらい犬種なので、こまめに体重を計ったり、体を触って適正体重をキープするように注意が必要です。


意外と大変なお手入れ

パグは全身の毛が短く、一見お手入れは簡単そうに見えますが、短くてもダブルコートでとにかく一年中よく抜けるため、毎日目の細かい獣毛ブラシで全身をブラッシングしてあげる必要があります。また、皮膚が脂漏傾向にあるため、皮膚病予防として定期的に全身をシャンプーしたほうがよいでしょう。さらにパグの特徴である顔のしわの間は汚れや湿気がたまりやすく、それが皮膚炎などの原因になることもあるため、濡らしたタオルまたはコットンで毎日丁寧にしわの間を一つ一つ伸ばしながら拭いてあげるようにする必要もあります。


人といることが大好き!

パグの人気は何といってもその性格でしょう。人のことが大好きで、一緒に遊んだり人に話し掛けてもらうことが大好きです。人の気持ちをよく理解し、同時に自分の気持ちをよく表現します。賢く、温厚な性格ですが多少マイペースで頑固なところもあるので、基本的なしつけは叱るよりもたくさんほめるようにするとよいでしょう。


気をつけたい病気

鼻よりも目が大きく飛び出ているため、目の表面(角膜)をぶつけて傷つけてしまうことがよくあります。また、鼻がつぶれているために体に対しての呼吸量が少ないため、いびきをかきやすく、暑さに弱い犬といえます。

また、ほかの犬種でも見られますが、パグに多いことから「パグ脳炎」と呼ばれる病気があります。これは大脳が炎症を起こしてしまう病気で、てんかんなどの神経症状を起こします。遺伝と関係があるといわれていますが確実な原因と治療はまだ分かっていません。


まとめ

昔から「パグを飼うと家庭内の不和が減る」といわれています。それくらいこの犬種は人の気持ちを察することができて、平和を好む犬だということです。そして何よりもパグの愛くるしい動作を見ていると誰もが温かな優しい気持ちになれるでしょう。

犬種によっての特徴や注意するべき点をよく理解して、犬も飼い主さんも楽しく快適に過ごせるようにしたいですね。

ペットクリニック.com

獣医師発信のペット情報サイト