カロリー計算でペットの健康を守る

最近では、ペットの健康を気遣って、手作りのご飯を与える飼い主さんも多いようです。一方、室内でペットと一緒に過ごす時間が長くなり、飼い主さんがおやつや人間の食べ物を与えてしまい、本来の理想体重よりも太っているペットが多いのも現状です。

今回はかわいいペットの肥満を防ぎ、健康で長生きさせるために必要とされる栄養成分やカロリーについてお話します。


必要な栄養素

犬や猫はもともと肉食獣です。そのため、必要な栄養素の種類や量も人間とは違います。

人間に比べて、犬はたんぱく質を、猫はたんぱく質に加えて脂肪をさらに多く必要とします。犬は人間と異なりビタミンCを体内で作ることができるので、あえて付け足す必要はありません。猫においてはタウリンが不足すると心臓や目の病気を引き起こしてしまうのでタウリンをしっかり摂る必要があります。また、ビタミンAを体内で作る機能がないため、ビタミンAを含む動物性食品を直接摂らなければなりません。

また、必須アミノ酸は、人間:8種類、犬:10種類、猫:11種類とそれぞれ異なるのです。

このように、人間と同じ感覚でペットに人間のご飯を与えてしまうと、犬や猫にとって必要な栄養素を十分に摂ることができなくなってしまうため、体に障害が起こりやすくなってしまうのです。


体型

体型や体格は、犬や猫の種類によってさまざまな特徴があるので、見た目だけでは太っているかどうか一概にはいえませんが、両手の親指を背中の真ん中に置いて背骨と肋骨を指で触った時の感触が目安の一つとなります。ペットを飼っている方は、次の指標を参考にしてみましょう。


  • 痩せすぎ

肋骨が簡単に触れ、どこから見ても肋骨や背骨、肩甲骨や腰の骨までも浮かび上がって見えます。

  • 痩せ気味

肋骨はわずかな脂肪で覆われ、簡単に触ることができます。腰の皮下脂肪もわずかでゴツゴツした背骨が触れます。横から見ると肋骨が見えます。

  • 標準

背骨や肋骨を触ることができます。また、横から見ると肋骨はほとんど見えませんが、肋骨から後ろのお腹の部分が細くなっています。真上から見ると腰にくびれがあります。

  • 太り気味

触るとやや厚みのある脂肪がついていて、背骨や肋骨を触ることができません。また、横から見ても上から見ても腰のくびれがほとんどありません。

  • 肥満

クッションのような脂肪で肋骨が覆われていて、背骨も肋骨もまったく触ることができません。もちろん横からも上からも腰のくびれがなくズンドウで、後ろから見るとお尻が丸く、頭が見えません。


カロリー計算のやり方

ペットが健康で元気に生きていくために必要なカロリー数は、種類・体格・飼育条件・運動量・年齢・健康状態などによってそれぞれ異なります。

ペットは自分で食餌量のコントロールができず、与えられただけ食べてしまうことも多いため、飼い主さんがそのペットの食餌の適量を知ることがとても重要になります。以下の計算式から、ペットに必要なカロリー数を計算してみましょう。


一日に必要なカロリー量 (kcal)=(体重× 30 + 70 )× 1.2 ~ 1.8

⇒標準で1.5 、肥満のペットほど 1.2 に近く、痩せすぎや運動量の多いペットほど 1.8 に近いようにそれぞれ設定します。


次に、毎日どのくらいの量をペットに与えているのか計算してみましょう。最近はペットフードやおやつにもカロリー表示がしてあるので、一日に与えているすべての食べ物をメモしてカロリーを計算してみましょう。そして、その子に必要なカロリー数と実際に摂っているカロリー数を比べてみましょう。


肥満防止対策

育ち盛りの子犬や子猫はたくさんのカロリーを必要とします。しかし、食べ過ぎてしまうと脂肪細胞の数が増え、大人になっても食べ過ぎてしまうことで一つひとつの細胞が大きくなってしまいます。そして、さらに脂肪が溜まると食べる量が少なくても体重が減らなくなってきてしまうのです。

肥満防止のためには、小さい頃からの食事管理が大切です。また、日頃から体重を測る習慣をつけておくと、体重の変化に早く気づくことができます。


肥満は心臓や内臓に負担がかかります。肥満の原因は食事量だけではなく、運動不足でエネルギーが消費できなかったり、加齢による基礎代謝率の低下、糖尿病による過食や薬の副作用などによる病気、避妊手術や去勢手術の影響も考えられます。

しかし、肥満を改善させるためにはまず「飼い主さんができること」を実行してみてください。

一日に与えるフードをカロリー計算して決めて、2~3回分の小分けにしておくと与えすぎを防ぐことができます。おやつは別に用意するのではなく、1日に与えるフードの中から与えるようにします。

また、運動量を急激に増やすと、太りすぎている場合は心臓や関節に負担がかかったり、足腰を傷めたりすることがあります。食餌のコントロールで少し体重を減らして体を軽くしてから、徐々に運動量を増やしていきましょう。


可愛いペットに元気に長生きしてもらうためにも、飼い主さんがしっかり食事管理をしましょう。

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