小型犬に多い関節疾患 ~大腿骨骨頭壊死症~

痛みの症状がある犬の病気の中で「大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)」という病気があります。別名「レッグペルテス」ともいい、若い小型犬に比較的多く見られる進行性の関節の病気です。

今回は、大腿骨頭壊死症についてお話します。


大腿骨頭壊死症とは?

大腿骨頭が壊死することで、半球状だった大腿骨頭はしだいに形がつぶれて平たくなり、それを受ける骨盤側のくぼみも浅くなることで脱臼や骨折しやすくなる病気です。


好発犬種

若い小型犬に多くみられます。特にトイプードル、ヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザー、ウェストハイランド・ホワイトテリア、ミニチュアピンシャーで多く見られ、4~11ヶ月齢の成長期に発症しやすいといわれています。


症状

大腿骨頭が変形してくると不安定な股関節に体重をかけることを嫌がるようになります。また、股関節がスムーズに動かなくなることから痛みがでて、後ろ足をひきずるようになり、腰を触られたり後ろ足を広げることを嫌がるようになります。まれに両足に症状がみられるようですが、多くは片足のみに発症され、もう片方の足のみを使うようになるため、使わない方の足の筋肉が衰えて細くなることで、左右の足の太さが異なっていきます。


原因

大腿骨頭壊死症は、股関節を形成する大腿骨の頭側部への血液供給が不足し、骨頭が壊死してしまう病気です。なぜ大腿骨頭への血液の流れが悪くなるのか、詳しいメカニズムについては分かっていませんが、遺伝的要因があるといわれています。


治療法

初期の場合は骨の変形が軽度であるため、運動を制限して関節に余計な力がかからないようにしたり、消炎剤を使って痛みを抑えて様子を見ることがあります。しかし、この病気は進行性であるため、最終的には手術をして変形した部分を切除するケースが多いです。

犬は4本足であること、この病気になる犬の多くは体重が軽い小型犬であることに加え、股関節の周りにはたくさんの筋肉があることから、適切なアプローチで手術をして筋肉を回復させるリハビリを行うことで多くの場合、手術で骨頭を切除しても再びその足で体重を支えて歩くことができるようになります。


まとめ

この病気はレントゲン撮影で股関節に変形があるかどうかで診断しますが、わずかな変形の場合にはレントゲン画像だけでは診断できないことがあります。

普段の生活で少しでも後ろ足をかばっていたり、触られるのを嫌がる素振りが見られたら、この病気である可能性もあるので、できるだけ早く動物病院に連れて行くことをおすすめします。普段の様子を動画に納めて持っていったり、その症状を詳しく獣医師へ伝えるようにしましょう。

愛犬と元気に楽しくお散歩へ行くには、もちろん足が健康でなくてはいけません。病気を早く見つけられるかどうかで、愛犬と飼い主さんのその後の生活に大きく関わってくるでしょう。